よもぎ

異端の鳥のよもぎのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
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開始直後に観たのを後悔した(もふもふの小さい可愛い命が酷い目に遭うのが何より無理なので)けれど最終的に観られて良かった、というか最後まで観て良かった。最後以外に救いが皆無。

ホロコーストを一人逃れ様々な場所で酷い迫害や差別、暴力に曝されながら必死に生き抜いたユダヤ人少年の道程。昔観たスピルバーグの『太陽の帝国』を思い出す構成ながらそれまでの過程が延々と地獄。何処までも続くとことんリアルな渡る世間は鬼ばかり。あまりに過酷。流石にしんどい。

最初は動物を思いやる優しい子だった主人公の少年が辿り着く先々で暴力以外にも人間の邪悪や愚かさを嫌という程見せ付けられ続けて挙句自分の中の怒りや暴力性まで目覚めさせられ終盤はもう人が変わったかの様に表情が凍りついた様な険しさで…戦争の恐ろしさ惨さというのはこういう事なんだな、と思った。

何でこの作品以外にも過去にだって遡ればこういう大事なメッセージが込められた文化作品が沢山あるのに戦争しようだなんて思えるんだろうね。
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