Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=BSciAozpnTA
※日本版のTrailerも作品の構成を良くとらえており好感を持てますけれども、本作の主人公の「愛」を求める感情とその「疾走感」、そして「作品の本質」に関しましては上記のものが参考となるように思います。
大衆が思考停止し、自ら権力者の奴隷と化すことにより権力者と共同で形成、維持する社会では、無知による「無関心」と「差別意識」は蔓延し、「階級の壁」の強度とそれに比例するように増す「監視の目」の精度が、人々の妬みと憎しみをさらに増幅させながら、「愛」を(それが純粋であればある程に)押し潰し、虐殺してゆく。
本作はそのような社会において「愛」の存在を信じ、その命と自らの「愛」の全てをかけて「言葉」を用いて戦った1人の男の物語り。
しかしながら描かれる「愛」は複数で、そのどれもが愛おしく、そして切ない。
主人公を演じるルカ・マリネッリの演技は素晴らしく、ところどころに挿入される主人公の心象風景は観る者の感情(郷愁)を掻き立て、優しさと温もりの記憶の深淵へと誘う。