ピッツア橋本

シン・ウルトラマンのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.8
"割り勘でいいか、ウルトラマン?"
※初代ウルトラマンシリーズ、エヴァ、ウルトラQ、シンゴジラ等々の関連作品を見たことある中年のレビュー採点です

ざっくりいうと、ウルトラマンをシンゴジラ的(エヴァ風味)にリメイクした、期待通りの小難しさとこだわりをギュウギュウに詰め込んだ感じ。

なのでこの世界線ではウルトラ怪獣じゃなくて、禍威獣カイジュウ。
科学特捜隊ではなく禍特隊カトクタイ。
となる。因みにゾフィーはゾーフィ!

ウルトラマンの正体、神永(斎藤工)の目的が人類を守ること、よりも人間を理解することなのが興味深い。
ザラブやメフィラスとの対話や人類価値を問答するパートが実に興味深い。というか、彼等が人間の何千倍も生きてるわけで、人類よりも人徳が高いのが面白い。
特に山本耕史演じるメフィラスは凄く優秀で、プレゼンテーションと計画の引き際の心得が絶妙な営業マン。

アクションパートもそもそもがエヴァがウルトラマンの影響を受けているせいか、シンクロ率かなり高かった。シルエットが初号機かウルトラマンかわからなくなる時があるくらいに笑

おそらくオールCGな分、特撮的な肉弾戦はちょっと成りを潜めた感は否めないけど、やってる事のスケールが大きいのでSFとしては充分。
シンゴジラと比較するとウルトラマンの出番は多く、バトルシーン自体は多めで、そんなに初見の人でも飽きないはず。

長澤まさみもとても良かった!エリートなのに葛城ミサト風な健康的な色気と人情を兼ね備えたキャラは素敵。

実写映画として見た時に、普段あまり使わないような隙間を縫う切返しカットが随所にあるし、長澤まさみの初登場カットの割り方もテクニカル、アニメチックで期待感ぐっとアガる感じで好みでした。

怪獣デザインだけど、全体的に思いのほかメタリック!光沢あるエヴァ感のあるカイジュウに仕上がっている印象。

怪獣セレクトもゴモラ、レッドキングやバルタン星人など象徴的なトコじゃなく、知的で問題児的なカイジュウに思いっきり寄せたのはオールドファンには賛否分かれそう。

万が一、続編が出たら何卒ピグモン入れて欲しい笑

無理矢理ケチをつけるならエンディングの米津玄師はもっとウルトラ感ある編曲にしてほしかったなあ。まあカラータイマーとかアイコンがない作品なのでこれも現代的でまた一興なのだろうか。

完璧かは分からないけど、個人的には見どころてんこ盛り、凄い濃密な作品でした!
ピッツア橋本

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