まっつん

シャン・チー/テン・リングスの伝説のまっつんのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

MCU最新作!!!マスターオブカンフーが遂に登場である!!!

なんて風に書き出しにブチ上げておりますが、僕自身MCUに対する熱が下がっておりまして。と言うのも、やはり僕の中では「エンドゲーム」で終わっている。そして、後から振り返って観たときに、「エンドゲーム」までの最後2〜3年の作品があまりにもディズニーの「製品」としての側面が強く感じられてしまった。なんてことがあって、急激に気持ちが離れていってしまったのです。当然ドラマシリーズも鑑賞していないので、まぁその程度の人間の文章だと思って読んでいただければ。

多くの人が感じることだと思うんですが、やっぱり本作って既視感が強いんですよね。それこそ1番近いのは「ブラック・パンサー」で、「人知れず存在する王国や組織の王位継承の話」な訳ですよ。僕なんかは性格が悪いので「こちらは地べたで雑草食ってる庶民じゃい!王位継承の話なんか知るか!ケッ!」と吐き捨てたくなるのですが(実際「ブラックパンサー」はそれ故に乗れなかった部分がある)、今作に関してはその要素に対しての工夫が凝らされていて、結論としては「くぅ….超おもしれぇ....」と思ってしまいましたよ。

やはり最終的に「王位継承の話よりカラオケ🎤」という、この上なく正しいメッセージを発しているのが好きだなぁ、ぼかぁ。私もお酒なんか飲んだら大概はカラオケとか行きたくなっちゃう人間なんで、もうシャンチーとケイティには共感しまくりですよ。そりゃ、王様になるかどうかの瀬戸際だろうが、アベンジャーズにスカウトされて「君らこれから大変だよ?ん?」なんてことを言われようが、カラオケより大切なものなんてこの世には存在しないのである!後になってから「一旦、カラオケ行っときゃ良かった!」って後悔することは目に見えているのだから!

そして、本作の魅力はやはりシャンチーとケイティのタッグに依るところは多いと思います。特にこの2人が恋愛関係になったりせず、一貫して友達であるというところが素敵じゃないですか。MCUのサイドキック枠って何人かおりますが、その中でも本作のケイティは1番好きかも知れません。オークワフィナさんもラッパーなので声が良いうえに、台詞回しにグルーヴがあって名演だと思いましたね。

アクションに関しても、カンフー映画の要素てんこ盛りでありながら、インド映画的な「恋に落ちる瞬間をアクションで見せる」という部分もあって大変楽しめます。特に、バスでの格闘と竹の足場での格闘はもう「一生続いてくれて良い!!」と思うぐらいアガりましたね。そして、最終的には東洋のモンスター大集合の一大バトル!ここに関しては賛否両論あるようですが、僕は「あ、そうなるんだ!」っていうサプライズ感を感じたし、何よりドラゴンですよ!ドラゴン!バカな映画好きとしてはドラゴンの背中に乗って飛ぶシーンがあるだけで、「やった!」と思うわけですよ。何よりカンフー映画でドラゴンでしょ?そりゃ、もう誰もがブルースリーを彷彿とさせられるし、このクライマックスでブルースリーからシャンチーへと魂の継承が行われたのだ!と思って熱くなってしまいましたね。

不満な部分があるとすれば、ラストバトルでの絵心の無さは少し残念だったですね。「シビルウォー」以降のMCUって大軍が右と左からぶつかり合ってドカーン!みたいなものが多くてですね。「エンドゲーム」の時点で「またこれか…」って思いましたし、やはり「エイジ・オブ・ウルトロン」のような狂った画を見たいわけです。そしたら本作でも右と左からぶつかり合ってたから「それはもう良いって!」なってしまいましね。まぁ、その後ドラゴン出て来たからいいけど。

てな訳でですね、結果的にはすごく楽しみましたよ。MCUとかディズニーに関しては思うところが多々あるし、以前のように毎回期待と不安がない混ぜになったなんとも言えない気持ちで劇場に向かうこともなくなりましたが、今後もゆるく追っていこうと思いました。