オトマイム

ラ・マルセイエーズのオトマイムのレビュー・感想・評価

ラ・マルセイエーズ(1938年製作の映画)
4.0
フランス国歌ラ・マルセイエーズはフランス革命の時に誕生した。地方の小さな軍隊で歌われはじめた名もない歌が南仏マルセイユから徐々に広まり革命家たちの士気を鼓舞する力となる、その様子はちょっと感動的です。

フランス革命の映画というとマリー・アントワネットを主役に据えた華やかなものが多いけれど、これは民衆=革命を起こす側から描かれていて地味ながらすごく面白かった。このテーマの作品としては出色ではないでしょうか。
ただし革命の流れを網羅しているわけではないし、残虐で激しい戦闘シーンはほとんどなし。これは当時(18世紀末)の人びとの暮らしぶりや革命に対する意識などを中心に話が進み、ルノワールらしいユーモアが散りばめられて(けっこう皆のんびりしているのがいい感じ〜)ほんわかした印象。

ジャン=ルノワールってまだ数作品しか観ていないんだけど、どれも風刺が効いていながら軽妙でどこか温かくて口もとがほころんじゃう。寒い季節に似合う(ت)♪