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シェイクスピアの庭のmendeのレビュー・感想・評価

シェイクスピアの庭(2018年製作の映画)
4.0
シェイクスピアが劇作家、プロデュサーを引退して故郷のストラトフォードアポンエイボンへ帰り、再び家族と再び同居する。
庭の話でも、シェイクスピアガーデンの話でもない。
長い間ないがしろにしていた家族とのあつれき、遺産相続、家族のスキャンダル、故郷でのぞんざいな扱い、かつてのパトロンとの関係などが描かれている。

監督・製作・主演がシェイクスピア俳優のケネス・ブラナーだし、ほかにもジュディ・デンチやイアン・マッケランなど高明な舞台俳優が出演。
シェイクスピアへの愛と尊敬が感じられる、丁寧で美しい映画だった。

シェイクスピアの作品は現在でも世界中で上演されているし、新しい解釈の映像化も続いている。この偉人へのリスペクトは捧げられて当然のものだ。

ただ、歴史的な劇作家でも、家族と長い間別居していれば当然「ずれ」も生まれる。
シェイクスピアの試作の才能は次女に引き継がれていたが、当時女性には詩作が禁じられていたとか、シェイクスピアの遺産は娘しか残っていなかったのでその配偶者である男性にしか渡せなくて…というエピソードも興味深かった。
かつてのパトロンである伯爵(イアン・マッケラン)に「愛」を捧げていたが、意外にすげないところなどはちょっとおかしかった。
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