【第72回カンヌ映画祭 コンペティション部門出品】
新作『パッセージ』が話題になったアイラ・サックス監督作品。イザベル・ユペールを主演にした人間ドラマ。
ポルトガルのシントラという土地を舞台としており、まあ美しい。ロケーションとユペールを始めとした役者陣が軽快に演じている。
ただ、著しくダイナミズムに欠けている感は否めない。この舞台立てと演技巧者たちのアンサンブル以外に観るべきものがない映画。
ストーリー自体に少し無理があり、オチの付け方も気に入らなかった。結局この人は何がしたかったんだ?シンプルなストーリーの割に言いたいことが見えてこない。これは厳しい。
もちろんシントラの街並みと自然は素晴らしい。ユペールの演技ももちろん。しかし映画として面白みがあるかというとイマイチ見出せなかった。著しく映画的カタルシスに欠ける一作だった。