おだ

思い、思われ、ふり、ふられのおだのレビュー・感想・評価

3.8
落ち着いていて、とても現代的な恋愛映画。


浜辺美波と北村匠海の安定コンビはさることながら、福本莉子と赤楚衛二を選んだキャスト選択は大正解だったんじゃないか。

ほとんど神戸で撮影されたのか…地元だし、登録してある神戸フィルムオフィスからエキストラ出してたっぽいので行きたかった…


初めから決定的であるような関係があるわけでもなければ、強い恋敵が出てくるような展開でもない。

家族との関係や、それぞれの将来といった未成年としての課題が恋愛感情と混ざり合いながら、4人が自分と向き合い、主題である「幸せ」の姿に気づいていく点が醍醐味。


自己犠牲や利他性を序盤から映し出し、4人が社会との折り合いをつけながら1年間という短い期間の中で、現実的な「青春」の全体像を描いていた。

コロナ禍という社会情勢の中で、数年前のようなオールドファッションな恋愛映画の展開は、今上映される恋愛映画にはない。


今作は、新たな展開と空気感を持ち出す2020年代の恋愛映画の始まりではないかと思う。
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