えびちゃん

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリンのえびちゃんのレビュー・感想・評価

5.0
どう頑張って抑えても気持ち悪いイキリオタクが早口で捲し立てているだけの文章になっちまう……
至福すぎて死ぬかと思った90分だった。セットリストはすでに知っているのに、たのむ、あと1曲うたってくれ、、と泣きながらエンドロールを見送った。
世界一毛皮の似合うクイーンオブソウル、アリーサ・フランクリンの超名盤アメイジング・グレイス。彼女のルーツ、ゴスペルに回帰したチャペルでのライブ記録映画として撮影していたけど、カチンコ鳴らし忘れて映像化できず音源のみリリースして映像は50年ちかく寝かされていた。やっと映像と音源を合わせられた〜!ってなったけど肝心のアリーサ御大が公開を拒否、けど3年前亡くなっちゃったから満を辞して(???)公開。アリーサの意志に背いているけどいいのかな、とモヤァ〜としたけどちゃっかり溺れ死ぬかと思うほど没入してた。これほど一体感のあるライブ映像そうないでしょう。隅から隅までしっかりと使い込まれたスタインウェイのグランドピアノが歴史と親しみを感じる。チャック・レイニーのベースのはねとうねりがアリーサの底知れない歌声を支えるというよりアクセントとして存在する。神の御前にふさわしい神々しさ、あたまからおしりまで全てが本当に素晴らしい。ザ・ローリングストーンズのミックとチャーリーも客席で楽しんでいたよ。
彼女を喪った凄まじい喪失感は今でもたやすく揺さぶってくる。ついにこの目で見ることは叶わなかったが、肉体はこの世から去ってしまっても魂は永遠に残り続けるのだ。こんな極東の島国にまで届くのだ。ほんの少しでも同じ時代を生きることができてよかった。
やっぱり1971年の音楽すげーわ。(本作は72年の1月だけど誤差でしょ1971年の13月です)映画としてというより記録として残ることに意味がある。
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