フェイクドキュメンタリーだそうで、はなからフェイクと思って観ないと、途中で残念な気分になるかもです。
わかってはいても、冒頭から今作品の主人公の1人である萩野谷幸三さんを追った映像は、一瞬ちゃんとドキュメンタリーしてる感じがして引き込まれましたね。
撮影の舞台裏など、現場の雰囲気がよく伝わってきて映画好きには刺さるポイントなのではないでしょうか。
でも、徐々にフェイク臭が強くなってきて、しかもそれらがあまり面白く無いんですね。
後半の主役である刑事二人に視点が移ってからは、ちょっと現実味が無さすぎない?と思ってしまった。それでも所々緩く笑えたりはするんですけどね。
とはいえ、エキストラにスポットを当てた映画はなかなか無いですし、ドキュメンタリー風にした手法は、ある意味フェイクとはいえ、映画撮影という舞台を描くのに説得力を持たせる効果を生んでいたような気がします。
まあ、本作は本職エキストラである萩野谷幸三さんの人柄が、演技をしているように見えないという点に依るところが大きいとは思いますが…
あとエキストラ派遣団体のスタッフ役の人々も、自然な演技で違和感無かったです。
最後に大林宣彦監督の姿、久しぶりに見れただけでも良かった気がします。病気に負けず頑張って欲しいですよね。