シズヲ

夕陽のギンコーマンのシズヲのレビュー・感想・評価

夕陽のギンコーマン(1966年製作の映画)
3.3
『夕陽のガンマン』をパロディ化した珍作マカロニ・ウエスタン(?)。本作の内容を速攻で理解させてくれる邦題とDVDジャケットほんと好き。最初から最後までふざけてるギャグ作品ながら、セットも小道具も本物のマカロニと遜色ない(というか流用か)のが微笑ましい。普通に似てない偽イーストウッドと偽クリーフはユーモラスな雰囲気も相俟ってフフってなるけど、偽ヴォロンテは顔付きとか微妙に似てるのが笑ってしまう。

しょっぱなから「遠方からの狙撃→何度銃を替えても全然当たらない」という夕陽のガンマン風の滑稽なオープニングでニヤリとするし、主役達のビジュアルも含めて元ネタを連想させるネタが幾つも盛り込まれている。『荒野の用心棒』の鉄板ガードや『続・夕陽のガンマン』を思わせる賞金首マッチポンプなど、関連作品のパロディも度々突っ込まれているのが妙に憎めない。またパロディとは直接関係ないけど大虐殺偽装や死体銃撃の下りは無駄にノリノリで、マカロニの暴力性を揶揄してるふうに見えなくもないのが笑う。

本作の欠点は「そもそもギャグのセンスがめちゃくちゃしょーもない」という部分に尽きるし、ゲラゲラ笑えるというよりは下らなさに呆れ笑いが溢れるようなユーモアが大半を占める。それでいてしっかり95分あるので意外とキツいところがある。でもドル箱三部作を引っ括めたパロディはごろごろ登場するので、ネタを見つけて比較しながら眺めるのはちょっぴり楽しい。
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