Kientopp552

TENET テネットのKientopp552のレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
5.0
 アメリカUSAの反ナチ・プロパガンダ映画『カサブランカ』のラストシーンを覚えている方は、本作のラストシーン直前のプロットが、『カサブランカ』へのオマージュであることが直観できるであろう!『カサブランカ』では、フランス・ヴィシー政府との関連からナチに「中立」的なカサブランカの警察署長・ルノーに向かって、カサブランカ駐在のナチ将校・シュトラッサー大佐を射殺したアメリカ人リック(H.ボーガート)が、"Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship." と言う場面があり、正に、悲劇的な形で、本作では、ある友情の始まりと終わりが同時に語られるのである。この意味でも、本作の監督Chr. Nolanが書いた脚本はよく出来ている。オマージュという点では、もう一本、フランスの犯罪・スリラーものの傑作『太陽がいっぱい』(ルネ・クレマン監督、1960年作)からの、間接的な引用(ボートに綱で曳かれる遺体の場面)が、本作の終盤に出てくることもここに述べておこう。
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