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サウナのあるところのhorryのレビュー・感想・評価

サウナのあるところ(2010年製作の映画)
3.5
サウナで人生での喪失についてトツトツと語る男たちの作品。
男性が自分の悲しみや苦しみを言葉にできない傾向があるというのは、失業や介護のジャンルで論じられていて、語る練習が必要だと言われたりしてます。
この映画でも、自分が失ったものをなんとか整理して語ろうとするのだけど、言葉に詰まってしまったり、「話さないほうがよかった」と迷う姿が捉えられています。
誰にも言えなかったことを語るのは、とても大変な作業ですが、それがサウナで行われることがとても意味があります。
密室で、静かだけれど無音でなく、肌が密着してるわけではないけどかなり近い距離にいて、裸。そういう条件と、何もせずぼんやりと時間を過ごす空間だからこそ、語りが可能になっているわけです。
詰まってしまった語りにかけられた「ゆっくり聞くよ」という言葉がとても暖かく胸にしみました。

熊の登場は驚きましたが、ユーモアにあふれていて良かったです。
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