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流転の地球/さまよえる地球のmahirunoahiruのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

 三体の作者の短編の映画化ということで原作読んでから観た。
 隣人に対する情を失ったり太陽をめっちゃおそれるようになったり、環境によって人間の精神性が変化してしまうのがめっちゃ面白いところのひとつだったのに、いや普通に2024年と何も変わらない共感可能な人間のひと達の人間ドラマになってますやーんというところで一回やる気を失った笑。地球の表層にのこのこ出てきてしまった兄妹を連れ戻そうとおじいちゃんが迎えにきて、一緒にトラックでカーチェイスとかすんの。これ劇場版のドラえもんじゃーん。原作改変してまでやる意味あったん?という感じだったのだが、原作の設定を犠牲に人間ドラマの余地を作っただけあって、人間ドラマ込みのSF映画としてはちゃんと完成してたかも。前半に合流したどうしようもない駄目おじさん達がみんななんらかのプロフェッショナルで、後半は力を合わせて人類の危機を回避しようとするのは普通にわくわくだった。そもそも能力のある人間だから危険地域での作業に従事していたわけなんだよね~。
 原作のいいところはガリッガリに削られてるんだけど、太陽系脱出を図るリアル宇宙船地球号、宇宙の様々な漂流物から地球を保護してくれてた大気圏を失って太陽の熱も遠のき、氷に閉ざされた廃墟みたいになった上海(だっけ?)を宇宙服着て冒険するのはまあまあ楽しいし、映画の意味はあったと言える。
 一個こわかったのは、中国人の父が宇宙ステーションで意気投合して協力して作業に当たる外国人、ロシア人なんだよね……やっぱロシアと手を組むんか……。原作終盤の陰謀論は明らかに文化大革命というか中国の精神性批判だったんだけど笑、それも削られちゃっててざーんねん。
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