回想シーンでご飯3杯いける

サイダーのように言葉が湧き上がるの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.8
最新作「市子」きっかけで、杉咲花出演作を探す中で見つけたのがこれ。ヒロインの声を担当しているのが杉咲花である。

最近は日本のアニメがちょっと苦手になっていて、理由はリアル志向、美麗志向に偏ったビジュアルにある。その点、本作「サイダーのように言葉が湧き上がる」は正反対。イラストや水彩画に近い画風で、アニメとしては懐かしさを感じるテイストだ。

お喋りが苦⼿で、俳句を使って自分を表現する少年と、出っ歯がコンプレックスでマスクを手放せないユーチューバー(?)の少女による、夏の出会いを描いている。

何と言っても俳句による台詞が良い。若者らしいフリースタイルな俳句だけど、季語はしっかり押さえられているので、夏らしさを満喫できるのも良い。限られた文字数だからこそ、メッセージとして刺さるのだ。

地方都市のショッピングモールやレコード専門店が舞台として登場し、音楽はシティ・ポップの重要アーティストが2組参加。高校生が主人公だけど、むしろ大人の方が楽しめる作品だと思う。変にいじめとか出てこないのも良い。