りりー

マイ・アーント・イン・サラエボのりりーのレビュー・感想・評価

3.7
トーキョーノーザンライツフェスティバル2019

父の過去を探してサラエボを歩くアンニャの足取りは、サラエボでの惨事を知らなかったわたしのそれでもある。運転手と交わす会話に、傷跡の残る街に、知らない食べ物に、かつて家であった廃墟でのズラタンの告白に、「ああ、映画を観ている」と思った。映画は旅だから。
ラドミラの行為は道徳に反したものではあるけれど、ズラタンが援助を続ける決意をしたのは、彼の拭いきれない罪悪感と、彼が触れてきた良心に報いるためであったのだろう。
りりー

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