スクリーン映えする強烈な顔面！
昭和のドタバタコメディ！
一応ミュージカル要素もあり！
音楽は佐藤勝。
当時の併映作品は勅使河原宏監督の『砂の女』だったという。

奇を衒いすぎたオープニングは、そもそもセリフが聞き取れない！
そこはがんばれ、観る人！

1964年公開
岡本喜八監督によるモノクロ和製ミュージカル！

浪曲、能楽、ジャズ、ロック…
歌って踊って笑って泣いて…

とにかくわちゃわちゃ忙しくて楽しい、岡本喜八らしい傑作でした♪

原作は『裏窓』などのコーネル・ウールリックの短編「万年筆」☆



ヤクザ大名組6代目大親分、大名大作(伊藤雄之助)。
3年のお務めを終え、晴れてシャバへと帰って来た。

が、組が株式会社になっとるやないかーいっ！

調べてみると、市会議員候補の矢東弥三郎(中川一郎)が、組を乗っ取り、万年筆の会社にしたらしい。

そのせいで、家は追い出され、妻(越路吹雪)はドンツクドンドンの宗教にハマり、息子は新聞配達のバイトをする有り様。

許さねぇ…

大作は、刑務所仲間の爆弾魔、太郎に爆弾を作らせることに。

そして、爆弾を矢東の万年筆に仕込むのだが、何故かあちこちと人の手に渡ってしまい………



大作の顔芸が凄い( ´∀｀)
そもそも顔が汚いww
わざとなんだろうけど酷い！

古い人間だけど超楽観的でアホで可哀想になります(笑)

太郎は眼鏡でオタオタ変人。
パッと見は「銀魂」新八ぽいw

元子分には二瓶正也！
「ウルトラマン」のイデ隊員、大好きだったなぁ～
今回も殴られてました(*￣∇￣)ノ

ハチャメチャな展開に、唐突に歌が入り、それに合わせて狂言の動作やダンスも加わり、賑やか過ぎる♪

が、そこは岡本喜八。
きちっとシメて、笑わせて終わらせる。

95分の狂乱、オススメですよ～

コーネルウーリッチ原作の短編小説「万年筆」を題材にした映画。監督は「独立愚連隊シリーズ」などの岡本喜八。キャストは伊藤雄之助、砂塚秀夫、高橋正などなど

刑期を終え出所した組長が、服役中に組を乗っ取った政治家を暗殺するために、彼が選挙運動で活用している万年筆に爆弾を埋め込んで暗殺をしようとする。ジャズからロック、能や狂言、果てには題目までを利用した和風ミュージカルに仕上げた痛快娯楽暗殺ミュージカルアクション映画。

愛らしい組長を演じるのは伊藤雄之助さん。喜八ファミリーの一人ですね。「血と砂」でも愛らしいキャラクターを演じていた面白い顔をした俳優さんです。他にも「太陽を盗んだ男」でバスジャックして皇居に突っ込もうとした犯人役も演じています。

相棒の砂塚秀夫さんも剽軽な役が似合いますね。「殺人狂時代」でも大友ビルだなんて良い役を演じていましたからね。コミカルでとても面白い役者さんです。

映画は序盤から「ヨーっ！」というSEが聞こえる。これで話に良いテンポを作って決して飽きさせない作りになっています。やはり喜八イズムともいえる「映画は面白くなくてはいけない。」がしみわたっていますね。軽妙な演出が光っています。

邦楽と洋楽の斬新な掛け合い、カット割りのリズム、カッティングの妙、場面のつなぎ、映像展開法、画と画の連結の呼吸感、抑揚を意識した編集技術などなど、喜八映画の基礎のようなものを全てぶち込んだような映画である。

それでいて、佐藤勝さんの音楽も軽妙な喜八イズムに見事なまでに溶け込んだポップなものを使用しているのがとても良いのですね。特にミュージカルシーンのスタイリッシュな演出も流石ですね。

全体的には砂塚秀夫さんが出ているせいもあってかコミカル色が強いのですが、爆弾を巡る駆け引きは見事、時計の秒針の音で緊張感を作るのも流石ですね。

いずれにしても、喜八的ダイナミズムが全て込められたような作品となっています。日本のいちばん長い日のような重い作品があまり好きじゃない人にはこれをお勧めしたいですね。