いい意味でドキュメンタリーと作品性の境目がなく、素人の映像から徐々にドラマ性がにょこにょこっと出てくるような不思議な感覚を味わえる小品だ。
登場する中学生のいなたさ、服装のダサさも絶妙で微笑ましいが、時折観てるこっち側が恥ずかしくなるほど。
うめちゃんはめちゃくちゃ美女というわけではないのだが愛嬌のある優しい女の子で、そりゃ中3男子だったら漏れなく好きになっちゃうわな。
しかも10代の頃の4つ上ってものすごくお姉さんに見えて魅力的なんだよね。
ストーリーのポイントとなるタケの告白は人によって思うことは違ってくるだろうが、男性だったらあの「ピュアなズルさ」に共感してしまうのではないだろうか。
(シュンにアメリカ留学を教えなかったうめちゃんも天然の小悪魔タイプ・・・)
三宅監督にとって、最新作『夜明けのすべて』というエポックメイキングな作品に到達する前の秀作であり、またHi'Specの丁寧かつ繊細なサウンドが思春期そのものを瞬間パッケージしているのだ。