ゼロ

アスのゼロのレビュー・感想・評価

アス(2019年製作の映画)
1.4
わたしたちがやってくる。

ゲット・アウトのジョーダン・ピール監督の作品。登場人物の多くが黒人であり、表題のアス(=US)はアメリカを指しているなどのメッセージや伏線が多く、隠されています。

本作品は、同じ人間でも、地上と地下では権利を得ることができない貧困について切り込んでいます。貧困問題であったり、同じ人間に平等の特権を…とメッセージ性が強くあるのですが、そのメッセージを伝える仕組みがガバガバだったので、物語に集中することができませんでした。

主人公のアデレード・ウィルソンは、1986年夏にミラーハウスで迷子になり、失語症になるが、現在は夫と二人の子を持つ母となる。あるビーチで不審者を見て、夜に玄関先に不審者4人が立っているんですが、この4人の行動原理は良く分からない。

物語を進めていけば、ホラーとして観るのが正しいのか?スリラーとして観るのが正しいのか?ゾンビ映画として観るのが正しいのか?と頭をフル回転させていましたが、ミラーハウスの設定があるようでないようなものなので、のめり込むことはできませんでした。

これから何かが起きるような”音”の演出は見事なのですが、襲い掛かる人間の背景が不明のため、恐怖はあまりなかった。同じ人間を倒すというのも、彼ら彼女らは葛藤はなく、不気味なのはどちらなんだ…というもの。

最後まで観ると、彼女の謎が分かり、伝えたい言葉も読み取れるのですが、そこに至る経緯がガバガバだったので、もう一度、観たいと思える作品にはなっていませんでした。

アメリカでは評価が高いようなので、「1111」や「エレミヤ書11章11節」などを聞いてピンとくる人は、私よりももっと楽しめたのかもしれません。
ゼロ

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