ななこ

王国(あるいはその家について)のななこのレビュー・感想・評価

4.5
ほんとに観てよかった。俳優さん達の脚本読み大好きだったし「役の声を獲得する過程」にもずっと興味があった、もう、観たいものやってくれてありがとうの気持ち。
映画の現場で私が好きだったの、まさにこれ!
しかも濱口竜介と岡田利規がコメントしてて笑っちゃったよね
観るのに根気は必要だった、さすがに。

なんて言ったらいいんだろうなあ、
ずるいしすごい、ひたすらすごい
めちゃくちゃ実験的なことしてるのに、その奇抜さに寄りかかることなく、というかだからこそ、細部に拘りまくって脚本と構成を作っているのがよくわかる
構成上手すぎないか????情報の足し方、時系列の乱し方、脚本の機微、見せる部分と見せない部分、とにかくうますぎる。
前情報あった上で観たから、想像していたよりずっと「映画」だ、と思った。

観客ももはや流れやセリフを覚えられる、だから物語を楽しむのではなく俳優の目線、仕草、言い回し、今どれくらい「その人」なのか、がよく分かる。

脚本を読む過程って楽譜を読む過程だよなぁ。譜読みして、何度も何度も反芻して手に馴染ませて、やがて自然に覚えられるようになって、表現をどうしようか、と考えられる。

王国、なるほど。
でも、その行為によって彼女は全ての王国を壊しているのにな。

役者ごとの音声レベルはもうちょい揃えてもよかったんじゃないか
あと最後の音楽はなんでああいうテイストなのかなぁ
ななこ

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