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天気の子の綯綯のレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.0
見てた。デートしてた。連れは号泣してた。

新海誠のお家芸、水滴と光彩のツヤッツヤ光学ポルノがたっぷり楽しめる良作。2010年代青春ものを見たい人も、新海ポルノを見たい人も、ジブリのように楽しめます。

男の子(もう名前忘れた)の決意は間違ってたのかな?守るべき他者のために第三者の犠牲を強いれるのは、大人の階段第一歩だよ。別名、世界中が君を嫌っても僕だけは君の味方でいるから。ザ・世界系。

こんなにも美しい世界は他にない。空気が、人間が、瞬間の描写が、美しすぎて現実にさえないかもしれない超現実的ジャパニメーション。そんな世界のお話。だからこそまた見たいクラスの☆4なのであります

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・新海が魂売っただけのことはある。
・セカイ系アニメの集大成
・アニメ業界はフル作画→CG複合型のネオンジェンシスへ。

「もう大人になれよ、少年」
世間の事情なんてシカトで限られたセカイを生きる。そんな日常を繰り返していられるのが、少年少女だけに許された2020年までのセカイ系ループもの。

少年はセカイと少女を天秤にかけて、少女を選んだ。変わってしまった東京の風景に、恐怖の息を呑みながらも、フィクションだから許されるところもある。

それと呼応するように、災害なしでは説明のできない社会になってしまった。

ペンギンハイウェイで寄り道した“健全なエロ”像を適度に取り入れつつ、作中にタイアップを突っ込むネイティブ映画広告。
カメオ出演やリフレインなど作為的に作り込まれている作品だけれど、エウレカ的透過を見せておきながら、どこ見てんのよはちょっとやりすぎかな。
RADWIMPSの長編PVといわれる一連の演出。セリフとSEを合わせた盛り上がりで、オペラ的な手法と言える。

新宿、澁谷、池袋。僕たちの知っている世界がより鮮やかで美しいものへと描かれ直していく。アニメにしか描けない。

ばあちゃん役に倍賞千恵子を起用するあたり、わかってる。

2021/09/16
で、じゃあ伝えたいメッセージがあったかというと別にそういうんではなく、君の名はの形を取った壮大な広告媒体だったりする。

一方で、大切な人とセカイ秩序との天秤って多くの人にとっては成立しないよね。よっぽどセカイサイコ〜♡な人だったら良いけど、こと平成以降の人類にとってはそんなに悩まない問いかもわからん。ギリこの時期はまだ不幸が見えてなかったかも?だからこそ女の子を選ぶのは(シナリオ的に)大正解な選択肢。

浴びる用の映画。
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