kazu1961

天気の子のkazu1961のレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.3
▪️Title :「天気の子」
Original Title :※※※
▪️Release Date:2019/07/19
▪️Production Country:日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2019-172
▪️My Review
前作から3年経ちました。今や、世界の映画シーンで最も注目されるアニメーション監督・新海誠。叙情的な男女の物語を、美しい色彩と繊細な言葉で紡ぎ出す“新海ワールド”は、世代や業界、国内外問わず、多くの人々に支持され、生み出された作品は高く評価されてきました。その待望の最新作をついに鑑賞できました。
新海作品の醍醐味のひとつが、キラキラと輝くような背景美術。新海監督の作品を見て、普段見慣れた風景がこんなにも美しいものだったのかと毎回思わさせられます。本作では「君の名は。」で大きくフィーチャーされなかった雨と雲がさまざまなアプローチで描かれているほか、繁華街の裏路地やネットカフェ、主人公の帆高が働くことになる、元スナックを居抜きで使っている編集プロダクションなど、猥雑(わいざつ)な場所も舞台になっています。どこか淀んだ空気がただよっているイメージのあるネットカフェでさえワクワクした空間に見えてきます。これこそが新海作品ならではの“マジック”ですね。
そして、もう一つの醍醐味は、「君の名は。」に続いてタッグを組んでいるRADWIMPSの音楽です。初期プロット段階から新海監督と密にコミュニケーションを重ねてつくられた楽曲群で登場人物の心情を代弁し、観客のボルテージを上げていく映像と音楽によるコラボレーションは素晴らしいの一言です!!
そして、ストーリー展開とテーマ。実写映画以上に、長い有史の中での今の瞬間の時代=2019年を描いていると思いました。「君の名は。」は“綺麗な作品”だったけど、今回は“アンダーグラウンド”。周囲の人々が厳しくもあり、汚い人間も出てきます。常識にとらわれる大人と純真な子供の対比など、わりと際どいところを攻めてきたなという印象です。そんな展開を通して、大変なことがあるけれど『僕たちはこの世界で生きていく』というメッセージを伝えているんだなと思いました。
「君の名は。」に比べて、「天気の子」では賛否が別れるであろう“攻めた”結末を用意しています。その結末をどう受け止めたかを、また皆さんのレビューを見て自分の印象と対比するのが楽しみです(笑)。見応えある作品です!!

▪️Overview
「君の名は。」が歴史的な大ヒットを記録した新海誠監督が、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄されながらも自らの生き方を選択しようとする少年少女の姿を描いた長編アニメーション。「兄に愛されすぎて困ってます」に出演した醍醐虎汰朗と「地獄少女」「Last Letter」など話題作への出演がひかえる森七菜という新鋭の2人が、帆高と陽菜の声をそれぞれ演じる。そのほかの出演に小栗旬、本田翼、平泉成、梶裕貴、倍賞千恵子ら。「君の名は。」に続いて川村元気が企画・プロデュース、田中将賀がキャラクターデザイン、ロックバンド「RADWIMPS」が音楽を担当。RADWIMPSが手がける主題歌には女性ボーカルとして女優の三浦透子が参加。
kazu1961

kazu1961