Saki

彼女の権利、彼らの決断のSakiのレビュー・感想・評価

彼女の権利、彼らの決断(2018年製作の映画)
4.7

『彼女の権利、彼の決断』
このタイトルが正にすぎて吐き気がする。

米国の人工妊娠中絶を認めた「ロウ対ウェイド判決」について、中絶賛成派と中絶反対派の数年に渡る対決模様が描かれる。

中絶反対派は、どこまでものフワフワレインボーキラキラお花畑人生を歩んできたらこんなに呑気な主張が出来るんだろう。

女性の健康を守る!
生まれる前の赤ちゃんを守る!

その結果が中絶反対?
そんなの、バカバカしい。産んだら貴方たちが世話してくれるんですか?
中絶反対するんだったら、望まない妊娠をさせた男性のウィンナーを2度と使えない様にちょん切って、燃え盛る火に乱暴に投げ捨てて下さい!!

世の中には色んな家庭があって、残念ながら幸せな状態で妊娠した訳ではない女性は多くいる。病気や経済的な困難や性暴力。

身籠っているのは女性なのに、その女性の権利を搾取している多くは男性、または政治的な理由で“利用”している女性。
何よりも、政治で完結させようとする所がそもそも気持ちが悪いったらありゃしない。お医者さんと当事者に任せて下さい。

ウェンディの様な議員(母子家庭で育ち、自身も母子家庭で成功してる)が、中絶賛成しているのだから、「権利」は「権利」として女性が保有すべきなのは一目瞭然。
13時間もの間、議論妨害を起こすためにスニーカーを履いてカテーテルを入れて投票会に臨んだ様子は胸を打たれた。

理不尽な世の中だからこそ、例えちっぽけな声でも、人間としての権利のために叫び続ける必要がある。
正しいことなら、きっと後ろにはサポーターがたっくさんいるから。
Saki

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