kazu1961

新聞記者のkazu1961のレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
4.2
▪️Title :「新聞記者」
Original Title :※※※
▪️Release Date:2019/06/28
▪️Production Country:日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2019-260
▪️My Review
「新聞記者」は国家権力の闇に迫ろうとする新聞記者・吉岡と、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務を与えられたエリート官僚・杉原の姿を描いた政治サスペンスです。
SNS名とで議論になったように、「総理のお友達」が関与している大学新設計画は、明らかに加計学園の獣医学部新設問題を下敷きにしています。この他にも、文部科学省の一連のスキャンダルや、ジャーナリスト・伊藤詩織氏への暴行事件といった、実際に起きたものを連想させるような事件が多数登場し、その背後には政権が関わっていることが示唆されています。本当にコワイ。。
アメリカ映画では『バイス』や『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』のように最近の政治を描く作品は多いが、日本では極めて珍しいですね。そういった意味で話題になったのも納得の作品です。
皆さんのレビューにもあるように、評価は真っ二つ。現政権と絡めて権力とメディアの葛藤を描いた作品として称賛する人、物語の根幹を成す設定に否定的な意見を出す人などなど、評価は真っ二つに割れています。なので観る価値はある作品ですよね。
この映画での役者達の演技は素晴らしいです。松坂桃李は揺れ動く内心をよく表現していましたし、シム・ウンギョンの嗚咽はちょっと引くくらい鬼気迫っています。演出やカメラワークも良いですね。映画の内容から反政府というイメージを持たれかねないにもかかわらず、この難しい役の出演を承諾した松坂桃李に対して、その決断を評価する声があがったようです。(田中哲司演じる内調のポスはコワイ。。)
話題性がたっぷりな作品、ラストはほんとにコワイ。なんといってもこの映画の最大の見どころが ラストシーンです。胸がくるしいというか葛藤とはこんなにも 苦しいものなのかと・・・。松坂桃李の泣きそうな顔で何を呟いたのか。。わたしには「ごめん。。」とそう見えました。この後、どうなっていくかは我々観客に委ねられているんですね。。。
こんなことも話題になりました。映画公開日前後から公式サイトが断続的にサーバーダウンして閲覧が難しくなる状況が発生したようです。特定のIPアドレスからシステムを使用した集中的なアクセスを受けていると公式から説明があり、サイバー攻撃ではないかという疑いも持たれたんですね。。。コワイ!

▪️Overview
「怪しい彼女」などで知られる韓国の演技派女優シム・ウンギョンと松坂桃李がダブル主演を務める社会派サスペンス。東京新聞記者・望月衣塑子の同名ベストセラーを原案に、若き新聞記者とエリート官僚の対峙と葛藤をオリジナルストーリーで描き出す。東都新聞の記者・吉岡エリカのもとに、医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届く。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、強い思いを秘めて日本の新聞社で働く彼女は、真相を突き止めるべく調査に乗り出す。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原は、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務に葛藤していた。そんなある日、杉原は尊敬するかつての上司・神崎と久々に再会するが、神崎はその数日後に投身自殺をしてしまう。真実に迫ろうともがく吉岡と、政権の暗部に気づき選択を迫られる杉原。そんな2人の人生が交差し、ある事実が明らかになる。監督は「デイアンドナイト」の藤井道人。
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