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名探偵コナン 紺青の拳のnetfilmsのレビュー・感想・評価

名探偵コナン 紺青の拳(2019年製作の映画)
3.8
 美しき自然に囲まれたアジア1のリゾート地、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ。やり手の女弁護士は、地元の名士に対し強気に出るが、「NO」という素っ気ない答えが。やがてエレベーターを降りた彼女の元に悲劇が降りかかる。ほぼ同時に地下駐車場では爆発が起こり、マーライオンの口からは赤い血が滴り落ちる。そしてエレベーターから見つかったのは、「怪盗キッド」からの血痕の付いた予告状だった。いかにも曰くありげでミステリアスな冒頭部分に引き込まれるが、同時に怪盗キッドも工藤新一を奇術的な方法でシンガポールへと誘う。毛利蘭に巧妙になりすました男は、幼い工藤新一を簡単に手玉に取るのだが、2人を魅惑のシンガポールの闇が2層にも3層にも包み隠してしまう。

 蘭の親友の鈴木園子がほの字になった男性・京極真の素性がそもそも胡散臭い。レオン・ローやリシ・ラマナサンのたどたどしい英語も曰くありげに映る。ヒクソン・グレイシーばりの400戦無敗の触れ込みや、19世紀末に沈んだとされる世界最大のブルー・サファイア「紺青の拳」などの伏線は、決して丁寧に散りばめられるわけではないのだが、どこか気味悪く我々の視線の裏側にべったりと張り付く。これは果たして子供に理解出来る薄暗さなのだろうかと考えていたところ、後半まさかのカタルシスやラスト・ミニッツ・レスキューが待ち構えている。決して一枚岩ではないはずの工藤新一と怪盗キッドを、二人三脚のようにしっかり結ぶ脚本の妙、謎のミサンガと「She」というダイイング・メッセージ。犯人やそこに至るトリックへの言及は出来ないが、着地点を含め、冷静な筆致と熱いカタルシスとの対比にしばしば引き込まれた。

本日、金曜日21時〜ミヤラジ77.3FM『We Are Movie Lovers.』は、
またまた帰って来た『名探偵コナン』特集!!

恒例企画第3弾!!
ゲストはリトル・バンブーさんに加えて急遽、
オグリーヌさんと江戸川ミナミくんが名推理に加わってくれますよ〜!!
新作・旧作問わず、語り尽くす1時間生放送!! お楽しみに!!
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