Mai

ファイブ・フィート・アパートのMaiのレビュー・感想・評価

3.8
日本未公開作。日本での配信を心待ちにしていたところ、ようやく念願叶ってNetflixで配信が始まった。

アメリカで公開された際にこの映画のことを知りその際調べたのだが、嚢胞性線維症の患者同士が実際に離れなくてはいけない距離は6feet(182cm)だそうだ。それがこの映画で5feet(152cm)になっているのは、映画を撮影する時フレーム内に2人の役者を収めるためだと言われている。映画だから仕方がないと言ってしまったらそうかもしれないが、こういった変更が実際の患者達から多くのクレームを生み出す原因となったそうだ。鑑賞前にこういったことを知ってしまっていた為製作の意図通り感動できるか不安だったが、上記のような矛盾を抜けば素晴らしいと言える作品だった。

まず、ヘイリー・ルー・リチャードソンとコール・スプラウスというフレッシュな主人公2人の演技が素晴らしい。"好きな人に触れたい"と考えるのは当然なことなのに、病気のために152cm以上近づくことができない。このなんとも言えないもどかしさは、序盤はキュンキュンとさせるが、クライマックスに向け涙なしに観られなくなる。どうしても女性目線で観てしまうので、コール・スプラウスのような素敵な男性に会えたらときめくし触りたいと思ってしまうよなぁと考えて余計に胸が苦しくなった。

次になんと言っても音楽が良い。特にAndy Grammerが歌う主題歌「Don't Give Up On Me」が素晴らしく、エンドロールも飛ばさずに最後まで観たし、曲もダウンロードした。

大切な人に触れるという当たり前のことがどれだけ幸せなことなのか。若い出演者の多い作品ながら深く考えさせられた。
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