織田

映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~の織田のネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

主題歌の『ハルノヒ』が聴きたくて観ました。
野原ひろしが理想的な夫であるというのはよく聞く話ですが今回はみさえが主役。

一生に一度の新婚旅行を提案し、みんなのために万一の時に対応できる装備を背負い、さらわれた夫を取り戻すべく謎の勢力に立ち向かう──そんな彼女を突き動かすのは家族への愛だというのがダイレクトに伝わる話で泣いた。愛というのは抽象的な言葉ですけど、これは紛れもなく「愛」だと思うんですよね。母親として、父親として、長男として、みたいな個々ではなく、野原ファミリーという枠で「宝物とは、大切なものとは何か」ということを真っ直ぐに提示してくる。これを家族愛と呼ばずして何と呼ぶのか。
ひまわりをあやしたりオムツを交換したりというのが挿入されるのも良かったです。(しんのすけが行う時もあるのがまた良い)。

みさえ側の描写が主になる一方で、ひろし視点の回収は『ハルノヒ』がカバー。サビ以外の2番がカットされていたのは残念だったものの、ここでも"君"がいるからこそ築くことができる「家族」がクローズアップされています。さらに「(家へ)帰る」という文脈が強いのも印象的。映画内でも「カスカベに家族全員で帰る」ことが強調されていた中、帰る場所があることの幸福さをこの歌は改めて指し示してくれました。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

私にあいみょんを教えてくれたのは当時(2018年)よく足を運んでいた北千住の飲み屋のスタッフさんでした。翌春リリースされ、北千住でその幕を開けるハルノヒは当然お店のカウンターで話題になり、カラオケのリクエストが入ることも往々にしてありました。

あれから5年近くが経ちます。マリーゴールドを教えてくれた方は結婚して母となり、当時の店長は新しい仕事に進んでこちらも1児の父となり、私も既婚者になりました。どんな未来が待っているのかはわからないけれど、「家族」として一つ一つ歩んでいきたい。今だからこそ改めてそう思える映画でした。
織田

織田