リラリオ

ノベンバーのリラリオのレビュー・感想・評価

ノベンバー(2017年製作の映画)
4.5
「死者の日」を迎えるエストニアのとある寒村。貧しい村人たちは「使い魔クラット」を使役し、お互い物を盗み合い、極寒の暗い冬を乗り切ろうとしていた。

クラットとは、農具や廃品から作られたもので、操るには魂が必要となる。
村人たちは魂を手に入れるため、森の中の十字路で悪魔を呼び出し、取引をする。悪魔は、契約のために3滴の血を要求するのだが…村人たちは、それすら「もったいねぇ…」とカシスの実を血の代わりに使い、悪魔をも騙すのだった…。

「死者の日」
死者は蘇り、自宅へ戻って家族と食事をし、サウナに入る。若くて美しい娘リーナも、死者の1人である母親と束の間のひと時を過ごす。
リーナは、村の青年ハンスに恋をしていた…だが、ハンスはドイツ男爵の美しい娘に一目惚れし、リーナことなど歯牙にもかけない。
「マジつらっ」→そんな中、強欲なリーナの父は、豚のような農夫エンデルに「リーナとの結婚おk!」と勝手に結婚の約束をしてしまう→叶わぬ恋に苦しむリーナは魔女に相談をする→「魔女様…ハンスの心をあの人から私へと振り向かせたいっス!」→魔女はリーナに1本の矢を渡す→「できることはただ1つ…その女を殺すしかない」→リーナはドイツ男爵の館へ向かう→館の様子を伺うリーナ、すると娘が現れる→夢遊病でフラフラと館の屋根を歩く娘→足を踏み外し、屋根から落ちそうになる→「危な!!」→黙って見過ごすことができなかったリーナは、娘を助け出す。

疫病が村に現れる→疫病は美女に姿をかえ、村人を誘惑→疫病のハニトラに引っかかった村人は疫病に感染し、死亡→今度はヤギに化け、村を徘徊する疫病→疫病がやって来たことを知り、村の長老は村人たちを緊急招集→「お前ら、ズボンを脱いで頭にかぶれ!疫病も尻が2つあると思ったら俺たちに触れられまい!」→ズボンをかぶる村人たち→そこへ疫病(ヤギ)現る→ケツ2作戦は…大成功!疫病は立ち去る。→だが、長老は「また疫病は戻ってくる!次はごまかせねぇっぞ!きっと別のものに化けている…早く見つけんと!」→疫病の捜索開始→村人たちはあらゆるものをかき集める→「それ、ただの釘」「それも違う…」「全然違う!!」→村人たちが集めたものの中に、疫病が姿を変えたものはなかった→「残念ながら、今回は疫病が一枚上手だ…」→そして、あるものに姿を変えた疫病が再び村人たちの前に現れる…怯える村人たち…そして…

ハンスの心は永遠に変わらない…が、娘が死んだら、悲しさのあまりハンスも死んでしまう。
でも…ハンスの嫁になりてぇ…。
複雑ぅな女心。
一方ハンスは、娘をさらおうと雪だるまのクラットを作くる。
魂を手に入れるため、悪魔に捧げるカシスの実を持ち、森の中の十字路へ。
しかし…「お前も俺を騙しに来たのか!ペテン師め!クラットの魂はくれてやる!その代わりお前の魂をいただこう」今回ばかりは騙されねぇぞ!と激おこの悪魔は、なんとクラットの魂と引き換えにハンスの魂を奪い取る…

クラットの魂を手に入れたハンスは、早速娘をさらって来いと命令する→が、クラットは「大変申し訳ございませんが、人は連れては来れません…盗めるのは家畜と物だけですぅ…」悲しげに答える→「えぇぇ!?マジか…」→意気消沈のハンス→そんなハンスにクラットは、自分が見てきた恋人たちの悲しき愛の物語を語り始める…。

その頃、リーナは先祖から受け継いだお宝の銀のブローチを家から持ち出す→ブローチを黒のドレスと交換→その夜、ドレスを身にまといベールをかぶったリーナは、ハンスに会いにいく→溶けかけた雪だるまの前から動かないハンスにリーナは近づき、跪く→ハンスは目の前に現れたのがリーナだと気づかず…突如現れた美しい女性に心を奪われる。

夜が明け、2人はキスをする→リーナは、その場を立ち去る→「俺、彼女を超愛してる!!」→ハンスは馬車に乗り、リーナを追いかける→そこに悪魔が現れる→「クラットは?」→「溶けてしまった」→「では…」→悪魔は、ハンスの首をへし折る。

ハンスの馬車が近づく音を聞き、胸が高鳴るリーナ。
だが…
そして絶望したリーナは…。

初手から不思議設定全開で「何??」ってなりましたが…めちゃ切ねぇ一方通行ラブストーリーでした。
リンチばりの難解なストーリー、奇妙で斬新な世界観、美しく幻想的な映像…
独特な映画なので好みは分かれると思うが、私は好きっス!!
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