みゅうちょび

ノベンバーのみゅうちょびのレビュー・感想・評価

ノベンバー(2017年製作の映画)
4.8
まさかの日本公開。

実は、口コミの高さに、どうしても観たくて何年か前に海外盤Blu-rayを買って鑑賞しました。

これが噂に違わぬ本当に美しい映画で宝物です。

で、この作品の映像の美しさは白黒作品だからこそ作れるような巧みな光と影による奥行きと異世界感を一瞬たりとも目が離せないので見ている時は、瞬きすら忘れる程でした。

魔術や呪いが人々と共存できた時代。寒さを増す11月を前に現代のハロウィンのような風習で、村人は墓地で死者たちを迎える。
寒い冬を乗り切るために一家に1匹?其々の雇い主の元で仕事をこなしヘンテコなロボットのような生き物…クラットと呼ばれるガラクタを集めて組み立てたものに森に棲む悪魔が魂を与えると動き出して「仕事をさせろ!」と雇い主に唾を吐いたりする😂😂😂 なかなかのお茶目さと本当に役に立ってるのか?と疑いたくなりますが、多分そんな風に思っているとクラットが知ったら、怒って爆発するかも…🤣

これがいきなりこの映画の冒頭から登場するので、否応にもグイグイ引き込まれてます。

クラットは、雑用もこなしますが、雇主のために盗みもします。

牛さーーーん🐄!!

そんな摩訶不思議な村にはドイツ人の男爵(ムカデ人間のハイター博士役のディーター・ラーザー)が娘と暮らす豪邸があり、多分彼は領主なのかな…

ディーター・ラザーは今作が遺作となりました。ハイター博士がマッドサイエンスにならずに、幸せに余生を送っている…みたいな…
彼は、今作では素晴らしい配役だなとおもいました!!彼以外にはこの品格と不気味なジィー様の感じは出せません。とっても愛らしい瞳をされているのも印象的。

主人公は村の貧しい家で父と暮らす少女なのですが、彼女は墓地へ行った夜に村の青年に恋してしまい、青年もまんざらではなかったはずなのに、彼はある日男爵の娘に一目で心を奪われてしまいます。

グリム童話とエストニアの神話や伝承を織り混ぜたような、不思議で美しく、エロティックで残酷で、時にユーモラスでもあると言う色々な意味で摩訶不思議な作品。

ハロウィン🎃にこの映画を映画館で観るなんてオサレだー!結果今週は行けない…(TДT)

Blu-rayをテレビ画面で観ただけでもこの世界にどっぷりと魔法にかかったように魅せられってぱなしでした。字幕が邪魔と感じるほどなので、物語を覚えたら、字幕なしで観るのが最善です。イメージフォーラムに行けても行けなくても、また見直そう!!

追記: 劇場でも観ることが出来て大満足でした!アップリンクありがとう!
みゅうちょび

みゅうちょび