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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのKEiGOのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「これぞ映画、これこそ映画"体験"だろ?」と言わんばかりのスコセッシの大作。
観たのは昨年10月だったのですが、ちょうどこの辺りからバタついてましてすっかり3ヶ月以上レビューに手が付かず。…まぁそれは半分本当半分建前で、「どうしてモリーはアーネストに寄り添い続けた、というかそばに居続けたのか」という疑問に答えが出せずレビューを書けなかったってのがホンネ笑

3時間26分という長尺で余すところなく見せつけられた夫婦の歪ながらリアルな人生。観終わったときに「これは大河映画だなぁ」と感じたことをしっかり覚えています。人の一生を描くには相応の尺が必要です。タイパが重視されShortsが好まれる時流と裏腹、大河ドラマだからこそ描ける人々の移ろいもある訳で。本作もまさしくそれで、人は移ろい、時は流れるもの。だから「どうしてモリーは自分を殺そうとする夫に寄り添い続けたのか」という問いにある意味答えはないのだろう。こう言っちゃおしまいだが、だってそれが史実だから。「人生に勧善懲悪で分かりやすいプロットはないんだぞ」というスコセッシ大先輩からのメッセージなのかもしれない。

とまぁここまで自分に落とし込みやすい映画の解釈だけ語ってしまいましたが、メインはアメリカの血塗られた歴史の方ですよね。現代人が、否、あえてそう書くが、現代の白人が蓋をしている後ろめたい歴史をこれでもかと露骨に描く。しかし正直、自分も本作を見るまでこういう事件があったとは知りませんでした…。思い返すと”ホラーの帝王”に隠れがちですが、スティーブン・キングも先住民を虐げてきたアメリカの歴史を『ペット・セメタリー』『イン・ザ・トール・グラス』等で描いてますよね。このあたりはこちらの様々な時代背景を解説している記事があるので、そちらに譲ります[1]。ちょっとなんて書けばいいか分からない、というか下手なこと書けないな~って撤退 汗

スコセッシ好きなら観るべき作品ですが、哀しきかな大衆にはウケないんだろうなぁ…。


参照
[1] Safari Online映画部, ”【深掘り考察】映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が描くアメリカの黒歴史とは?”, note, Oct 30, 2023, https://note.com/safarionline/n/n76bc4a9df87d
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