ワンコ

テッド・バンディのワンコのレビュー・感想・評価

テッド・バンディ(2019年製作の映画)
4.5
もし
もし、デッド・バンディが、死刑を前にして、殺人の詳細を自白しなければ、フロリダの有罪となった事件でさえ、今も冤罪の可能性が取り沙汰されていたのかもしれないと思わせる。
映画で描かれるテッドの為人は、それほど殺人行為からはほど遠いイメージだ。
しかし、テッドは、なぜ、自ら自白する気になったのか。

自白することによって、死刑のカウントダウンを伸ばしたかったのか。
もしかしたら、自己顕示欲なのか。
信じていたリズこそが、第一の通報者であったことを知り、自身の弓ノコによる頭部切断を告白して、リズに恐怖を植え付けたかったのか。
きっと全てなのだろう。

また、キャロルとの接し方から考えると、テッドの支配は愛情を内包しながら、実に巧妙に仕組まれてるように思える。

テッドの動機はなんだったのか。
犯行の多くが告白によって世に知られるようになっても、謎が明らかになることはない。
そして、専門家が動機を分析し、世の中が謎だと騒ぎ立てれは立てるほど、これこそが、テッドの巧妙な支配の一部なのではないかと考えさせられる。

大量殺人をいとも簡単にやってのける異常者の頭の中を覗いたような感じがする、後味の良くない作品だった。
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