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ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷のkanacoのレビュー・感想・評価

3.5
Jホラー『呪怨』のハリウッド4作目。伽耶子さん、アメリカに〈呪怨家〉の支部を作るの巻。佐伯家の呪いを移されたアメリカの〈呪われた家〉で起きる凄惨な事件について何が起きたかを紐解いていくホラー。伽耶子さんたちは出ませんが『呪怨』感とハリウッドホラー感の両方があったので良かったかも🤔✨(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
夫を病気で亡くしたマルドゥーン刑事は幼い息子のバーグと新しい生活を始めたばかりである。森林地帯で車に乗った状態の変死体が発見され、マルドゥーン刑事と相棒のグッドマン刑事は現場に駆け付ける。腐敗した死体をみてグッドマン刑事はある一軒家で起きた一家無理心中「ランダース事件」の名を出す。その一軒家は現場の近くにあり、マルドゥーン刑事は手掛かりを掴むためにその屋敷を訪れた。しかしその屋敷は「足を踏み入れた者はすべて呪われて凄惨な最後を遂げる」という呪われた屋敷だったのだ。そして彼女の周りで次々と不可解な現象が起き始める…。

❶【呪怨】の伽耶子さん、アメリカに〈呪怨家〉の支部を作るの巻

Jホラー『呪怨』のハリウッド映画化の4作目だとのこと。加えてシリーズのリブートだというので心機一転な作品だったのかな🤔サム・ライミが制作に関わっているホラー映画です。

【The Grudge】
人が怨念を抱いて死んだ時呪いが生まれる
呪いはその場に染みつき生き続ける
遭遇したら最後…決して逃れられない(本編より)

伽耶子さん、アメリカに〈呪怨家〉の別荘を作るの巻
あるいは
伽耶子さん、アメリカに〈呪怨家〉の支部を作るの巻

日本の〈某一軒家〉に入ってしまったアメリカ人女性が怯えて逃げるように帰国したものの、残念ながら〈呪怨〉を本国に持ち帰ってしまい、自宅で夫と娘のミランダちゃんを殺害して自殺。そしてその一軒家が〈一歩でも足を踏み入れた者は例外なく死ぬ〉という〈呪われた家〉になってしまい次々と犠牲者を出すという物語です。

〈今〉の時系列にいるマルドゥーン刑事が過去の事件を調べようと〈呪われた家〉に捜査に入ったことで自分も呪われてしまい、その家で何が起こったのかを調査、そして自分にかかった呪いを解くために奮闘するのが主軸です。

伽耶子さん、剛雄さん、俊雄くんは日本で〈呪怨〉を振りまくのに忙しいので出張はなしです。佐伯一家の代わりに唯一日本で直接に伽耶子さんから呪いのOJTを受けただろうランダース一家の妻がアメリカ支部長として頑張ります。俊雄くんに倣って娘のミランダちゃんもお母さんのお仕事に全面協力。母娘そろってアメリカに〈呪怨〉を振りまく任務を頑張ります୧( ˃◡˂ )୨

❷『呪怨』っぽさとハリウッドホラーっぽさの両方が感じられたかも

前述した通り『呪怨』のホラーアイコンである伽耶子さんと俊雄くんが出てこないことや、マルドゥーン刑事の物語で話が進むような出だしだったのであまり『呪怨』を感じなかったのですが、最後まで見終わったら確かに『呪怨』だったなぁ~と思いました。主に4つの事件(ランダース家事件/スペンサー家事件/マシスン家事件/マルドゥーン刑事の事件(一応ここが主軸))が『呪怨』と同様に時系列バラバラに描かれてランダムに進行していきます。また部下:ランダース一家による上司:佐伯一家リスペクトということで『呪怨』の小ネタが散りばめられています。

それぞれの事件で生まれた相互作用というか〈この事件の時にああなったから、この事件の時にこうなっていた〉のように関係している要素が多いため〈呪いの家で一体何が起きたのか〉というのを紐解いていくミステリー感も強く、家について解説まで喋ってくれる親切設計だったので謎が残ることはなく割とスッキリ見ることができました。

ただやはりハリウッドホラーなので、佐伯家もJホラーの中では〈頻出する幽霊〉ということで“実体感”がある方ですが、ハリウッドホラー出身のランダース一家はさらにクリーチャー寄り。もはや普通に(?)家の中に潜んでいる😂そしてホラー演出はジャンプスケアを多用。じわじわと怖く演出するよりも鑑賞者の肩を何度も跳ねさせることに注力しています。

Jホラー特有のジメジメ感、湿っぽさはないですが“どんよりさ”とした重さは最初から最後までずっと漂っています。逆に緩急が薄く感じられて後半はその“どんよりさ”にちょっと飽きがあったかも🤔

『呪怨』関連作品としては珍しいことに「この家は危ない!」と察知して頑なに家に入らず呪いを避け続ける人物がいたのがちょっと新鮮でした。伽耶子さんは家に入ろうが入るまいがおかまいなしに〈呪怨〉を広げる能力者ですが、ランダース家はまだそこまでの効力はないらしく、やはり伽耶子さんのパワーの強力さを感じました(?)

🏠🐝「フィルマ平均スコアは高くないですが、個人的には楽しめました。

ほぼ主人公であるマルドゥーン刑事が自分の息子に何かに〈恐怖〉を感じたら「怖い時は目を閉じて5つ数える」という解決策を教えますが、そんなアンガーマネジメントみたいな方法で幽霊回避できないでしょ!と思ったらそういうことじゃなかった🤣」
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