Mayo

ウエスト・サイド・ストーリーのMayoのレビュー・感想・評価

4.5
悲劇はあまり得意ではないけど、悲劇のミュージカルの中で「ウエスト・サイド・ストーリー」と「ミス・サイゴン」は好きです。
これまで舞台でもいろんなバージョンの「ウエスト・サイド・ストーリー」を観てきたけれど、今作は映画でありながら、限りなく舞台を観ている感覚に近いことに驚いた!さすがスピルバーグ、しかも子供の時から好きな作品だったというからスピルバーグだからこそなせる技なのだろうな。
たいていミュージカル映画といえば、映像ならではの表現をしていて楽しい!なのか、せっかく映画なのに勿体ない…という感じかどちらかな気がするんだけど、本当に舞台を観ている感じ。スポットがあたったところに目がいくように、そこにカメラが行っているというか。いやもうそれだけで大満足。

あと衣装の色使いが最高!ジェッツは赤、シャークは青で表現されるけれど、その色合いやグループ内でのグラデーションの感じがとても良かった。
マンボで向き合うところは鳥肌が立ちました。
ラストにマリアが真っ青なドレスで現れたのはどういう意味が込められていたのかな。

トニーとマリアより、リフとアニタが評価されるのはよく分かる。
リフはクールなリーダーのイメージだったけど、今回はガキ大将感が強くて新鮮。
アニタ役のアリアナ・デボーズは、「Hamilton」を観た時にアンサンブルで出演してあて、とても個性的なヘアスタイルでよく覚えてるから感慨深い。
トニー役はちょっと例の噂が良くない印象を与えていて、マリアを見つめる目線とかがやや気持ち悪く…残念でした。


スティーブン・ソンドハイムの功績を感じながら観られたのも良かった。改めて「マリア」の歌詞がなんて美しい響きなんだろうと感動していました。
Say it loud and there's music playing—
Say it soft and it's almost like praying—

観るたびに違う気持ちになる作品も良いけれど、いつ観ても、「人種や国の違いで争っても悲しいことが起きるだけ、暴力では解決できない」ってことを感じられるのでやっぱりこの作品は好きです。
Mayo

Mayo