クラリス

蜜蜂と遠雷のクラリスのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
3.0
昔、クラシックに全く興味がなかった頃、たまたま流れていたのを聴いて「これ好きだな」って初めて思ったのがドビュッシーの“月の光“だった。
そのあと調べてみたらドビュッシーは私と同じ誕生日(8月22日)だと分かって、運命だと感じたことがある。

作中、月を見た2人のピアニストが“月の光“を弾き始めるシーンがあるけど、やっぱり月を見るとあの曲が頭の中で流れるものなのかな、音楽家たちは。

森崎ウィンが「作曲もするピアニストになって新しいクラシックを届けたい」みたいなことを言ってたけど、そう考えると清塚信也さんってスゴいよね。
この時代に誰もが名前を知ってる現役ピアニストって他にいないと思うし、作曲したコウノドリのテーマ曲は本当に感動的な心温まる名曲だったし。

しかし片桐はいりはなんだったんだ?
思わせぶりすぎるクローク係…かつて活躍したピアニストとかだと思って登場するのを待ってたんだけど、全然回収されなかった(笑)

音楽映画だからずっと後ろで美しいピアノが流れてるのはとても良いんだけど、いかんせん映像+音楽でセリフがなく、登場人物の心情の変化が説明なしにふわっと処理されているので、7年も表舞台から遠ざかっていたほどのトラウマをどんな感情で克服してどうしてまた決勝の舞台に戻ろうと思えたのかがイマイチ伝わらず、あまり感動出来なかったな。

鈴鹿央士くん、初映画ながら捉えどころのない神童の雰囲気がとても上手でした。
斉藤由貴さんの英語も良かったです。
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