福福吉吉

薬の神じゃない!の福福吉吉のレビュー・感想・評価

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
2002年の上海、チョン・ヨンは薬屋を営んでいたが、貧しく別れた妻に息子を奪われていた。そんな中、白血病患者リュから正規の治療薬が非常に高価なため、安価なインドのジェネリック品を密輸入して欲しいと依頼される。金に目のくらんだチョンは安価なジェネリック品を流通させ、儲けることに成功する。それは貧しい白血病患者の救いとなっていく。

◆感想◆
金儲けで始めた薬の密輸入が多くの白血病患者を助けることになり、その救済が目的に変わっていく男のストーリーとなっており、背景として治療薬が高価で、貧しい人々が救われない現実が描かれていて、心に響きました。

チョン・ヨンは金に困っており、インドのジェネリック品を密輸入したのも金目当ての営利主義者でした。儲けるために白血病患者にジェネリック品の販売網を広げ、金持ちになっていくチョンは成り上がっていく感じがよく出ていて面白かったです。

しかし、警察の追及を恐れ、チョンは販売を終えてしまいます。ここからの描写がリアリティがあって、安価なジェネリック品を手に入れられない白血病患者たちが次々と倒れて、希望を失っていく姿は心に突き刺さりました。

そこから先のチョン・ヨンたちの姿には患者たちを助けるという確固たる意志が見られて、とてもカッコ良く感じました。

ストーリーの起承転結がはっきりしていて、テンポが良いため、とても観やすい作品になっていました。

とても良かったと思います。薬の場合、その品質が命にかかわるために一概に安さだけを追うことには怖さがありますが、薬の目的は患者を救うことにあり、価格がそれを妨げる原因であってはならないと思います。

鑑賞日:2024年1月29日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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