ちろる

さよなら、退屈なレオニーのちろるのレビュー・感想・評価

さよなら、退屈なレオニー(2018年製作の映画)
3.7
カナダの小さな町で、憂鬱の全てを抱え込んだような16歳のレオニーが見せる複雑なこじらせ。
レオニー役のカレル・トレンブレイが、ルーニー・マーラのようなお顔立ちのとても美人さんで、よくあるアメリカ青春映画のこじらせガールとは一味違う。
学園生活もイケてるグループだし、普通にしてりゃ同級生にモテるだろうに、学校生活は退屈で心ここに在らず、家庭も複雑で居心地悪い、何か夢の一つでもあればやる気がでるのにそんな目標も取り柄もないから、嫌なことあればその場から黙って逃げ出す。
かなり厄介な17歳なのですが、これもしもレオニーが美人じゃなかったらちょっと成立しなかったかも。

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鬱々とした生活の中でぶつかるの彼女の悩みは大人になれば実は大きなことではないのだけど、多感なこの年代ほ少女にとっては大人の歪みが許せなくて、心がどんどん絡まってしまったのだろう。

彼女が何故にあの中年のミュージシャンのスティーヴに懐いたのか?
それは間違いなく一向に満たされない彼女のファザコン精神と、あとは疎外感に苛まれるレオニーにとってスティーヴの持つ孤独感が居心地が良かったんだろうな。
友情と恋愛の狭間のような、あの曖昧な関係は見ていて心地よかった。

些細な出来事の繰り返しでも、毎日少しずつ何かは変わって世界も変化する。
退屈でも憂鬱でも一つずつでも笑える何かを見つけられるなら、それはもう成長。
もう少ししたら、レオニーも大人の歪みが許せる日が来るのかな。
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