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ソン・ランの響きのkazu1961のレビュー・感想・評価

ソン・ランの響き(2018年製作の映画)
4.4
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-234
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋“過去に引きずられるな!今、なすべきことをしろ!!”エンディングの言葉に心が鷲掴みにされます。ベトナム映画の底力を感じさせられた作品、“ボーイ・ミーツ・ボーイ”の作品では決してなく、これは魂の再生の物語。魂の慟哭、再生、そして終焉。。。素晴らしい作品でした。

🖋 物語のクライマックスの運びと演出は圧巻。クライマックスからのストーリーの展開は予測がついたものの、大衆歌舞劇カイルオンの芝居と現実が重なっていくエンディングには心が鷲掴みになりました。人は、人との出会いによって再生するんですね。このユンに対する秘めた思いをリン・フンに語らせることなく、カイルオンの圧巻の舞台で代弁させる演出はほんと凄い!!

🖋1980年代のベトナム、サイゴンの描き方、その淫美な美しさ、ウォン・カーワイの60年代香港っぽい世界観がもとても素晴らしい!!陰影を大胆に使った描写、ロマンとノスタルジー感じるセピア調の描写。。。これらが主人公達への感情移入を容易にさせています。

🖋取り立て屋の主人公(リエン・ビン・ファット)とカイルオンの役者(アイザック)が演じた二人の役作りも、醸し出す雰囲気もとても素晴らしくて、お互いに感情を揺さぶられているその表情の演技がこれまた凄く良かったです。物語が進むにつれて雰囲気が変わっていく二人の名演に惹きつけられました。

🖋観終わった後も強烈な余韻が残った素晴らしい作品。ベトナム映画の期待を遥かに超える作品でした!!


😢Story:(参考: Amazon)
80年代のサイゴン(現・ホーチミン市)。
取り立て屋ユンは、ベトナムの伝統歌舞劇<カイルオン>の花形役者リン・フンと出会う。ふたりは初めは反発し合っていたが、停電の夜ユンの家にリン・フンが泊まったのをきっかけに、心を通わせていく。実はユンはかつて民族楽器<ソン・ラン>の奏者を志した事があり、楽器を大切に持っていたのだった・・・。

🔸Database🔸
・邦題 :『ソン・ランの響き』
・原題 :『Song Lang』
・製作国 : ベトナム
・初公開 : 2018
・日本公開 : 2020/02/22
・上映時間 : 102分
・受賞 : ※※※
・監督 : レオン・レ
・脚本 : レオン・レ
・原作 : ※※※
・撮影 :
・音楽 :
・出演 : リエン・ビン・ファット、アイザック

🔸Overview (参考:映画. com )🔸
1980年代のサイゴン(現ホーチミン市)を舞台に、孤独な2人の男がひかれあう3日間の刹那的な物語を、ベトナムの民族楽器ソン・ランの音色にのせて描いたドラマ。80年代のサイゴン。借金の取り立て屋ユンは、ベトナムの伝統歌舞劇「カイルオン」の花形役者リン・フンと運命的な出会いを果たす。はじめは反発し合っていた2人だったが、リン・フンがユンの家に泊まることになり、そこで心を通わせていく。実はユンは、カイルオンに欠かせない民族楽器ソン・ランの奏者を志していたことがあり、今でもソン・ランを大事に持っていた。対照的だがそれぞれに悲しい過去を持つ2人は孤独を埋めるように結ばれ、再会を約束して別れるが……。2018年・第31回東京国際映画祭「アジアの未来」部門出品作品。
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