Kientopp552

ジェミニマンのKientopp552のレビュー・感想・評価

ジェミニマン(2019年製作の映画)
2.0
 「Gemini man」、つまり、「双子座の男」とは、中々思わせぶりのタイトルで気が利いているのではあるが、このつまらない近未来SF・アクション映画を、あの台湾出身のアン・リー監督が撮っているとは信じがたい。米国アカデミー賞監督賞、ベルリン国際映画祭金熊賞、そして、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞をそれぞれ二回も獲得している、あのアン・リー監督である。なぜにつまらないのか? やはり、アン・リー監督に典型的な「家族の物語り」に本作も収束し、それも全くの調和主義的ハッピー・エンドで本作が終わるからであろうか。

 しかも、ウィル・スミスが「伝説のスナイパー」というストーリー設定も何か嘘くさい。『MiBメン・イン・ブラック』のコメディーなら似合うが、「血も涙もない」はずのスナイパー役には彼は合わない。

 一方、敵役のClive Owenクライヴ・オーウェンは、1964年生まれのイギリス人俳優で、本作の撮影時には約55歳である。何かめっきり年老いた感じなのであるが、クーロン化された、若い「ウィル・スミス」を我が子のようにして育てており、その演技力によって、演じられている役柄の人物の狂気振りに何か真実性を与えている。しかも、彼は、第二の「秘密兵器」をしっかり準備していたという、周到さである。
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