TIFF2018⑩
最優秀男優賞、審査員特別賞受賞作品。
欲とプライドに覆われた老人を見事に演じきったイェスパー・クリステンセンの最優秀男優賞受賞は文句なし(他は文句があるみたいな言い方だけどお気になさらずw)。そういえばヒトラーに屈しなかった国王だったと、鑑賞後に気づいた。
牛の知識は誰にも負けない男、美しい娘、ちょっと頭弱そうだけどとりあえず体格のいい甥1、愛嬌たっぷりでかわいい甥2、この四人がいれば現代ならば逆転チャンスがありそうなものだが、この時代の格差は簡単に人が這い上がることを許さない。権力者に生贄を差し出し犠牲にするしか道はないのだ。
貧困が人間を貶めるさまをまざまざと見せつけられる、北欧のどんよりした曇り空がいかにも寒々しい重厚な作品だった。これは見応えあり。
教会の席順はヒエラルキーの象徴。