マルケス

プライベート・ウォーのマルケスのレビュー・感想・評価

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)
3.5
シリアで死亡した戦場ジャーナリスト、メリー・コルヴィンの伝記映画。(後にアサド政権による暗殺と判明)
ラスト、カメラが徐々に引いていくと、戦争下にある町の全景が見えてくる。累々と続く破壊された建物群。灰色以外の色がなく、まさに死の町だ。この映像はオープニングに繋がっている。意味するのは終わりのない戦争だろうか。

周りが止めても危険な取材に向かうメリー。頭が切れてタフな女性に見えるが、実はアルコール依存とPTSDに苦しんでいる。本当の彼女は人並み以上に繊細だったのかもしれない。ロザムンド・パイクが気迫の演技でメリー・コルヴィンを体現していた。

なぜ危険な紛争地域へ行くのか。メリーの答えは「駆り立てられる」「この目で見ずにはいられない」相棒カメラマンのポールが「中毒だからだよ」と返す。
“戦場中毒”という言葉もあるが、誰かが伝えなければ、そんな使命感を持っていたのは確かだと思う。
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