僕らはとても他人事ではないし、悲しくて笑えないね
「アーサーはそんなやつじゃない」「ジョーカーを語るな」ってのが本当に作中で描かれてる無理解と不条理そのものなんだ。高度なジョークかと思う。まごうことなき映画やDCファンの喜劇。
僕らはアーサーや世の中に同情してあげられるほどの自愛は持て余していないし、彼らを手放しに糾弾するたぐいの趣味も持ち合わせてない。
そんな社会不安によって、素晴らしいはずの作品は泥を塗られたのだろうか?
そもそもが泥にまみれた人間の物語だったんだとしたら、この作品に注目が集まったのはなぜなんだろう。あの事件で穢されたモノとは何なんだろう。不快なお気持ちを表明する前に、僕らは自分の手の汚れをじっと見つめるべきかもしれない。
フィクションが生んだ惨劇なのか、実在の惨劇を描いたフィクションなのか。悲しいことにその答えを知っている人はいないんだと思う。
しっかし、ダークヒーローを模倣するにも、それをとやかく批判するにも、どちらも想像力がいるっていうのが皮肉だ。まともな人は口をつぐんでいるのかもしれない。
心が痛くて2回に分けて見たよ。
ゴッサムの喧騒とミュージック&ダンスがよすぎた。問題を凍結したいときは、みんなも冷蔵庫で寝てみよう!