小田啓太

グリーンブックの小田啓太のネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

とても良かった。
まず作中で誰も死なないってだけで大好き。

1960年代のアメリカが舞台の映画で、実話が元のお話。

ドクが差別を受け殴られ、そのあざをファンデーションで隠すシーンで使われたファンデーションが黒だったことにドキッとしてしまった自分に驚いた。
そりゃ"肌色"なんだからそうなるのに。

そういえば通っていた幼稚園で使われていたクレヨンや色鉛筆に入っていた"肌色"は全てペールオレンジと表記されていた。
良い教育を受けたなと思う。
ただ、この時代においては逆に肌色と表記しても良いのではないかなとも思う。

確か2010年頃からの風潮で、サクラクレパス始め多くの画材メーカーでペールオレンジを肌色と表記をやめたらしい。
でも日本のメーカーなら日本人の一般的な肌色はペールオレンジなのだから堂々と肌色と表記してもいいんじゃね?とも思う。もちろん日本人で肌の色が違う人もめちゃくちゃいるし、日本人じゃなくて肌の色が同じ人もめちゃくちゃいる。特にこの時代なので。
でも過剰な配慮は逆にマイノリティを目立たせてしまうような気がする。

これは肌の色だけでなく、障害の有無にも言えることだ。
自分は赤の他人であろうと身近な友人であろうと、無闇やたらに手を貸さないことにしている。
時に手伝いが必要なら言ってくださいなどの声はかけるが、強要はしない。
なぜなら、その気遣い一つで一般社会にうまく溶け込めているマイノリティを顕在化させてしまうからだ。
短く言うと「余計なお世話」が近い言葉かもしれない。
私たちは家族であろうと友人であろうと所詮は赤の他人の枠を出ない。
人の真意はその人にしかわからない。
ただ、助けを求めることは勇気がいることだし、不当な差別を受けており、それを変えたいのであれば何らかの行動は必要だ。

その点、ドクは行動を起こした。
めちゃくちゃすごいと思う。
ただ、この行動には彼の黒人でもないし白人でもない、という特異な属性がかなり影響してるのだと思う。
どこに行ってもマイノリティという孤独感を上手く利用した行動だった。

めちゃくちゃ関係ないご意見をつらつら書き連ねてしまった。
面白い映画だった。



P.S.
エンドロール前の2人のその後みたいなシーン、ドクの肌白くなってた気がするんだけど気のせい?
それとグリーンブックって今でもあるのだろうか。
小田啓太

小田啓太