このレビューはネタバレを含みます
1960年代。
ドクはピアニストで、アメリカ南部へコンサートツアーに行きたい。
アメリカ南部は黒人差別が色濃い地域。
運転手兼ボディガードとして白人トニーが雇われた。
グリーンブックっていうのは、黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブックのこと。
人種差別の問題提起はしっかりされつつ、凸凹な2人の男の友情旅物語だった。
クスッと笑えるシーンもあって観やすかった。
黒人たちが畑作業してるところに車で通りかかったトニーとドク。
車が故障してトニーが修理してる間、黒人たちがドクを見つめる。
あの視線は、羨み? 嫉妬?
ドクは白人から迫害され、黒人からも疎外感を感じて辛いだろうな。
口が達者で喧嘩っ早いトニーと、寡黙で紳士的なドク。
旅が進むにつれお互いへの心情の変化が伝わってきた。
人種 対 人種じゃなくて人 対 人。
軽そうに見えるトニーがドロレスに一途なのも、ドロレスがそれに負けずトニーLOVEなのもかわいくて素敵。
ラストシーンでドクはトニーの家のドアの前に立つ。
とても勇気を出しただろうな。
パーティ参加者の一瞬の間、その後の歓迎、本当に良かった。
ドロレスの最後の一言、心ほっこり、うふふ、と声が出た。
そしてこれ、実話。
エンドロール前に実際の写真とともに彼らのその後も紹介される。
最期まで仲良しかよ……。泣いちゃう。