みきてー

ディリリとパリの時間旅行のみきてーのレビュー・感想・評価

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)
3.8
今秋、八戸市美術館で開催されたロートレック展と連動して本作の上映会を5〜6回ほど主催することに。

展示会前に予習として見るのに最適な1本で、フラッシュクイズのごとく矢継ぎ早に登場するベルエポック期の文化人を眺めるだけで楽しい気分。公開当時見た時とは比べ物にならないほど解像度高く楽しめた。

オスロ監督が実際に歩き回り撮った背景写真の前で、トンマナの異なるセル塗りのキャラクターが生き生きと動き回る。そのオルタナティブな雰囲気がアニメーションとしてフレッシュだし、ディリリちゃんが異邦人として違う位相からパリを見ていることの表象にもなっていて面白い。表現と語りが一致した時の快感はアニメならではだ。

クスリと笑ってしまうようキュートなシーンも沢山あり、老若男女問わず観客が楽しんでくれたのが嬉しい。特にディリリちゃんが山盛りフライドポテトをモリ食いするシーンでは、ドッと大きな笑い声が起こり、大勢でスクリーンを見つめることの尊さに包まれた。映写しながら涙が止まらなかった。
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