このレビューはネタバレを含みます
「プロポーズされたのにケンカだもの。私は社交界が嫌い、あなたは物書きが嫌い。結婚したってうまくいくわけないわ。私は一生結婚しない!」
時は19世紀末、南北戦争下のマサチューセッツ州に住む4人姉妹の人生を描いた物語。小説家になる夢、本当に好きな人との結婚、憧れのヨーロッパでの暮らし…。名作『若草物語』をベースに、女性の生き方を問う。
夢に向かって突き進みながらも、自分の女性としての人生に葛藤するジョーの姿がとてもリアルだった。小説家になることだけを望んでいたのに、自分の姉妹はどんどん家から去っていってしまう。「世間の人が言うように、結婚だけが女の幸せなんて絶対思わない!…でも、たまらなく寂しいの…」というセリフがとても象徴的で胸にくる。最初は男の悪役がたくさん出てくる話なのかなと思ってたら、フラれた男側の葛藤とかも描いていて、どちらも極めて対等に扱われているのも好印象だった。
最後妹のエイミーとローリーの結婚が決まって、ローリーへの気持ちを綴った手紙を回収して川に破り捨てるシーンが切なくて好き。
脚色ではあるけど、『若草物語』が俗に言うハッピーエンド(結婚して家庭に入る)になっていた理由がラストで明かされるのも良い。出版されて売れるために、あえて編集の意見を聞いたという。500ドルで著作権買う発言はヤバかったけど、無事断ってくれて安心した笑
以下、セリフメモ。
「女性を登場させるなら最後は結婚させるように。または死なせてくれ」
「踊らないの?」
「ヨーロッパ育ちだから作法が違くて…」
「ヨーロッパ!?イカすわ!」
「率直に言って(君の記事は)好きじゃない」
「私は文学史に名を残す!」
≪帰ってきて。ベスの体調が悪いの。母より≫
「女が自分の力で生きていくなんて無理。女の仕事なんて売春宿の経営か女優だけ。どっちも同じようなものね」
「あなたの父親は黒人の子供たちに援助ばかりしてる」
「姉さんを傷つけるには、ドレスより原稿を焼くのが一番だと思った」
「絶対許さない。一生憎んでやる!」
「ここでは"デイジー"を演じることにしたの」
「私じゃご不満でしょう?」
「ドレスは嫌いだけど君はステキだ」
「女の天才芸術家っている?誰が"天才"を認定する?」
「結婚するな…。結婚するなよ」
「どうして?」
「そんなのわかるだろ?」
「私はなんでも"ジョーの次"だった。ジョーの身代わりなんてたくさん。"好きな人の2番"になんてなりたくない!」
「ベスは猩紅熱だ。他に罹った者は?」
「あなただけがあの家の希望よ。ベスは病気、ジョーは才能なし、メグは一文無しの家庭教師にお熱。エイミー、あなたは裕福な結婚相手を見つけなさい。家族のために」
「…フレッドのプロポーズを断ったの」
「逝っちゃダメ。戦って。消えていかないで」
「私を置いていかないで。少女時代が終わっちゃう…」
「私にはあなたと違う夢があるの。家庭を持ちたい。そのためなら喜んで苦労するわ」
「もう待ちたくない。出会った時から君を愛してる。でも君は僕に告白をさせなかった。僕は君に相応しくないけど…」
「あなたは私には勿体無い人よ。でもなぜ愛せないのか自分でも分からない。愛そうとしたけどダメなの…」
「私には家族がいればそれだけで幸せだった」
「ローリーがもう一度プロポーズしてきたら間違いなくイエスと。…言うかな。でも今は愛するより愛されたいの」
「それは愛じゃないわ」
「僕ら、帰国する前に結婚したんだ」
「あなたとエイミーが…?愛してるの?」
「僕らが一緒になったら殺し合いだ。こうなる運命だった」
「叔母さまが墓の下で嘆きそうな計画があるわ。学校を始めたいの」
「私たち家族の物語を書いてみようと思ってるの。需要あるかな?」
「書いてこそその重要性に気づくのよ」
≪ミス・マーチ。君の新作を読んだよ。刺激的なものが書けたらまた送ってくれと、君の"友人"に伝えてくれ。…すまん、からかわずにいられなかった。≫
「カリフォルニアに来たら必ず寄ってくれ」
「多分行かないけど…ありがと」
「物語の主人公がオールドミスで終われば誰も買わん。出版もせん。ハッピーエンドに」
「500ドルで著作権を買い取る」
「前金より著作権を取るわ。印税を10%に。私はお金のためにヒロインを結婚させるのよ」