ひらさま

フィクサーのひらさまのレビュー・感想・評価

フィクサー(1968年製作の映画)
4.2
フリーメーソンの一員だとして当局に拘束されたユダヤ人の仕立て屋(ホントの職人さんです、裏で暗躍する人ではありません)が、手酷い追求に屈する事なく戦い続ける実話を基にした骨太なドラマ
帝政ロシア末期のウクライナ、慎ましく暮らしていた普通の一般市民が、政治的な陰謀に巻き込まれて翻弄される悲劇
理不尽さを認め始め、彼にとって味方になりそうな存在であった判事も自殺を装い殺害され、孤立無援な彼は耐え続けるしか生き残る道はなくなる
しかし最後に法廷に望んだ時、集まった群衆から拍手を持って迎えられる
このラストは震えるほど感動しました
ここまで静かに淡々とした展開ながら、漲るほどのパワーを感じた作品は他に例がない
再評価すべき隠れた傑作だと思います