カワウソのアイサツ

永遠の門 ゴッホの見た未来のカワウソのアイサツのレビュー・感想・評価

1.0
映画を観る時は、一切の情報を遮断して観る。
観終わった後に監督や出演者を確認することはあるが.......。

控えめに言って酷い。
このカメラマンにハンディカムを持たせてはならない。
ゴッホの狂気を描ききれないまま、物語は車酔いしながら進んでいく。

私はゴッホの絵が好きだ。
名作が描かれていく様だけでも満足しようと思ったのに、権利の関係なのか有名な絵を描くシーンが殆ど無い。

手ぶれ補正無しのハンディカムでカッコつけて撮らなくていいから、iPhoneででも撮ってよ。
調律をわざと崩したようなピアノで不協和音をこれでもかと聞かせる、本当に騒音レベル。

人物に近づく時の臨場感をゴッホの視線で表現したつもりだろうが、人間の身体には補正機能があり、あんな風に映像は乱れない。

雑なカメラワーク、場面の切り替え、小学生のイタズラのようなピアノのBGM,
どれをとっても最低だ。

そして終盤、ウィレム・デフォーはゴッホを超越してイエス・キリストに戻ってしまいました。
『パッション』は意味のある怪作、それに乗っかろうとしたあざとさと稚拙さに開いた口が塞がらなかった。

鑑賞後、アカデミー賞主演男優賞ノミネートとかデカデカと書かれてたけど、私の目には明らかな黒歴史作品にしか映らなかったけどね。

孤独や狂気を生半可な監督に撮らせてはならない。
表現しやすく、多くの作品で目にする題材なので、観客の目は誤魔化せない。