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冬時間のパリのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

冬時間のパリ(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

出版業界を舞台にした作品。出版社の敏腕編集者は押し寄せるデジタル化の波に乗り遅れないよう苦心する毎日を送る。彼は友人である作家の新作を読むが昔から変わらないその作風が気に入らず出版を断る。一方、女優である編集者の妻は長年作家と不倫関係にあって...という話。フランス映画。

二組の夫婦の関係を軸に変わりゆく時代の中でもがく男女の人間模様を描いた会話劇。実にフランス映画らしく哲学的な主張を含んだ対話中心で進む。情報量が多く、現代フランスの政治やトレンドに関すること多いみたいなので、僕がもう少し国際情勢や文化に詳しければもっと楽しめたかもしれない。編集者の不倫相手である若い部下がLGBTなのも現代的。
色々あって主人公の編集者と作家がそれぞれの不倫関係を解消して、仕事においても古臭い自分のスタイルやプライドを捨てないことを匂わせて終わる結末は心地よかった。最後の作家夫婦のハッピーなエピソードも良かった。
女優役のジュリエット・ビノシュは是枝裕和監督の「真実」にも出ていたのを覚えている。終盤作家の新作のオーディオブックの企画の話が出た時に「ジュリエット・ビノシュに読んでもらおう」というセリフがあるのもおかしかった。
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