月乃空

海獣の子供の月乃空のネタバレレビュー・内容・結末

海獣の子供(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

初めてのレビューなので、読み辛い点もあるかもしれませんがご容赦下さい。

この海獣の子供は、"五十嵐大介"さんの漫画を原作とした作品です。

監督はドラえもんの劇場版シリーズなどでも知られています"渡辺歩"さんです。

そして映像の監督とも言える作画監督は、昨年亡くなられました高畑勲監督の遺作となった"かぐや姫の物語"なども務められた、"小西賢一"さんです。

製作スタジオは"鉄コン筋クリート"などを手掛けた"studio4℃"さんです。

これだけでも名作の匂いがしますが、ここに追い打ちをかける様に音楽を担当したのが日本国民なら誰もが知る"久石譲"さんです。
基本情報は程々に、内容に移りたいと思います。ストーリーは女子中学生の"瑠花"が夏休みの初日に部活で仲間に怪我を負わせる所から始まります。そしてその日の内に父親の勤務先の水族館で謎少年"海"と"空"に出会って物語が動き出します。もう直ぐやってくる"祭り"と呼ばれるこの星に起こる何かに向けて変わっていく海を通して瑠花の一夏の成長を追う話。

この映画の特徴は先ず誰もが目を奪われる映像の美しさと迫力です。2Dの絵とCGの融合によって、リアルな海洋生物の動きと美しさが表現されています。ストーリーを通してキャラクターの心情に沿って得られる感動ではなく、観客自身がその映像を見る事で得られる感動を冒頭から叩きつけられます。終盤の祭りのシーンは、"2001年宇宙の旅"のスターゲートを思い起こさせる怒涛の数分間でした。
其れに負けず劣らずの音楽も素晴らしかったです。久石譲さんの手がける映像音楽は此れまでも聞いて来ましたが、ここまであからさまなミニマル音楽は初めて聞きました。
こんなコンボをくらい続けた私は劇場を出る時フラフラでした笑。
映画の中でしきりに語られていた事が有りました。それは人間が認識できるのは、この世界の一割にも及ばない。そして言葉に出来るのはまたそのほんの一部に過ぎない、という事でした。大切な事はこの体で感じるべきだと言われている気がしました。

この作品は、映画の本質が映像から物語へと移行した現代の人々に映像が持つ魔力を再確認させるものでした。劇場で見る事を強く強くオススメ致します。
月乃空

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