kazu1961

凪待ちのkazu1961のレビュー・感想・評価

凪待ち(2019年製作の映画)
4.3
▪️Title :「凪待ち」
Original Title :※※※
▪️Release Date:2019/06/28
▪️Production Country:日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2019-171
▪️My Review
いやぁ!!むちゃくちゃ良かったですっ!!ラスト付近では救われる温かな涙も。。。
評判では、愚かな者たちの切ない暴力と狂気を描いた衝撃作という事でしたが、テーマは「喪失」と「再生」最後には救いがあり、観終わっあとに前を向いていける作品に仕上がっています。
本作は、『孤狼の血』、『彼女がその名を知らない鳥たち』など日本映画界を担う監督・白石和彌の最新作です。
サスペンス?ヒューマンドラマ?主人公の恋人を、誰が殺したのか?なぜ殺したのか?「愛」という名に隠された事件の真相とは――?容赦ない絶望を見事に描いた見応えのある作品になっています。これは白石監督ならではですね。
そして、驚かされるのは、主演である香取慎吾の凄まじいまでの演技力です。かつてない汚れた、ロクでもない香取慎吾、その圧巻の佇まいと破壊力は、物語そのものの品格となっています。バイオレンスと狂気、怒りと裏切り、不条理かつ悲劇的―。それでも一握りの純粋さを失わない男の姿を晒すことで、観る者を圧倒することに成功しています。
前述しましたが、本作のテーマ。大切な震災を経た「港町・石巻」の姿。それは本作を語る上では避けては通れないものであり、注目すべきところの一つでもあるのです。この作品で「喪失」と「再生」という二つの言葉を介して、震災によって変わってしまった人々の人生、そして震災を経ても変わることなく続いてしまう、ありふれた人々のありふれた人生を、丁寧に、重ね合わせるようにして描いているのです。主人公たちは何を「喪失」し、どのように「再生」してゆくのか。その道のりにおいて、どれ程の苦痛と代償を要するのか。
ほんとに見応えのある流石、白石監督作品です!!傑作!!
▪️Overview
「孤狼の血」の白石和彌監督が、香取慎吾を主演に迎えて描くヒューマンサスペンス。「クライマーズ・ハイ」の加藤正人が脚本を手がけ、人生につまずき落ちぶれた男の喪失と再生を描く。「くちびるに歌を」の恒松祐里が美波、「ナビィの恋」の西田尚美が亜弓、「万引き家族」のリリー・フランキーが小野寺を演じる。
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